マルチタイムフレーム (MTF) 分析・その5
MTFでは
1. 長期足で「余地」を判断する
2. 短期足で「引き付けて」エントリー
すると言いましたが、結局は、単独の、それぞれの時間足での状況を分析できる必要があります。
それができてこそ、余地の判断ができ、引き付けたエントリーができます。それらの判断を総合的に使うことによって利益も勝率も上げることができるのです。
時間足の組み合わせ方として、
・月足 & 週足
・週足 & 日足
・日足 & 4時間足
・4時間足 & 15分足(または30分足)
・1時間足 & 5分足
・15分足 & 5分足(または1分足)
・5分足 & 1分足
のような組み合わせで分析をしますが、なぜ2つ以上の時間足を使うと有利になるのかを、例を2つ挙げてお話しします。
例えば、1枚の紙を半分にしたいとしましょう。
道具は何も無く、手で紙を半分にビリビリと切る(破く)しかない場合、あなたなら、どうしますか?
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おそらく、紙を半分に折って折り目を付けてから、その折り目を意識しながら紙の左右に手を置いて、手を右下と左下に開いていくと思います。
定規を当てたり、ハサミやカッターなどを使ったりする場合よりは綺麗に切れませんが、紙をおおよそ半分にすることができます。目的は達成できます。
自分用のメモに使う場合や近しい人への伝言に使う紙なら、それで十分です。
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もうお気付きでしょうが、紙を半分にするという目的があり、そのために紙を半分に折って折り目を付けた。
この「折り目を付ける」のが、長期足での「余地の確認」に相当します。いわゆる、「事前準備」です。
この事前準備が有るのと無いのでは、結果が全然違ってくると思いませんか?
もちろん「そんなことしなくても上手くやれるよ」という人もいるでしょうが、トレードをする目的は「いかに道具を使わずに上手くできるか」ではありません。
あなたがトレードをする目的は「資金を増やすこと」であるはず。
だったら、資金が増えるようなやり方をすればいい。ただそれだけのことなのです。
「自分は他の人とは違ってすごい人だから」というような変なプライドを捨て、MTFに慣れていないのなら慣れたと思えるまで練習する。
それができないのなら、本気じゃないということだし、覚悟が足りていない。
あなたはどう思いますか?
もう1つ、例を挙げてみます。
カーナビ。ご存知だと思います。
見知らぬ土地でもスムーズに案内してくれて、ほぼ確実に目的地まで案内してくれる便利な機能です。
さて、現在は高い精度を誇っているカーナビですが、その精度が50~60%だとしたらどうしますか?
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使わない、という選択肢もあるでしょう。
では、カーナビを使わずにまったく知らない場所に独り、車で行かなければならないとしたらどうしますか?
・誰か、知っていそうな人にあらかじめ道を聞いてから行く
・道の途中で人に聞きながら行く
・事前に一度、その道を通っておく
など、いろいろと考えられると思いますが、自分が独りで車を運転するのなら、
・事前に一度、その道を通っておく
が一番確実です。
その時間が取れないのなら、紙の地図やGoogleマップなどを使って、どの道を通るのかを大まかに決めておくのが次善の策になるのではないでしょうか。
いずれにしても、何らかの「事前準備」をしておかないと確実に自分が困ります。
このように、普段当たり前にやっている、紙に折り目を付けたり通る道を決めてから動くということをトレードでもすればいいのです。
結局、長期足でも短期足でもやることは同じです。
全時間足で共通してやることは、
・上昇余地があり、下降から上昇に転じたか
・下降余地があり、上昇から下降に転じたか
・エントリーしてはいけないときか(余地が残っていない)
・不明(判断不可能)なのか
の判断です。
この判断を長期足でも短期足でもしますが、長期足と短期足でその役割の大きさを変えているだけのことです。
極端なことを言えば、1つの時間足だけを見てトレードすることはできます。でも、それでは余地も何も分からない状態になり、成績が不安定になることは避けられません。
何かを本気で成したいのなら、より大きなものを見た上で、今は何をすべきなのかを判断すれば上手くいきます。
ここでは2つ例を挙げましたが、人によってピン!とくる例えは違うかもしれません。
上の例を参考に、自分はこう例えればMTFを理解しやすいというものを自分なりに探してみてください。
これ(小)をする前には、これ(大)が必要。生活の中にもそんなものがいくつもあると思います。
一言で言うなら、MTFとは事前準備をすることです。
長期足での大まかなシナリオを用意した上で、短期足で細かく継続や中止をしていく。それを繰り返していきます。
自分なりの理解・解釈でいいので、MTFのイメージを自分の中に作っておくと結果が大きく変わります。